2010年11月30日火曜日

野辺山45 m電波望遠鏡立ち上げ試験

 2010年11月18~25日、野辺山宇宙電波観測所にある45 m電波望遠鏡の立ち上げ観測に、羽村が参加しました。天候に非常に恵まれ、昼は八ヶ岳の雄姿を遠景に眺めながら、夜は満天の星空の下で順調に観測を行うことができました。
 立ち上げ観測とは、12月からの観測シーズンに向け、夏の間眠っていた観測装置達を起こし、調整する作業のことです(野辺山の電波望遠鏡は、大気の乾燥していて観測条件の良い冬の間しか観測を行いません)。滞在期間中は、スクイントと呼ばれる、ビーム方向に対する受信機の向きのズレを測定して方向を揃えるための観測を行いました。他にも、能率測定と呼ばれる、信号検出感度校正用の観測なども行って、本格的なシーズンに備えます。

 野辺山宇宙電波観測所はJRの駅の中で最も標高の高い、小海線野辺山駅から徒歩30分ほどの距離にあります。食事が非常においしく、また静かで、宿泊施設の部屋も広く、研究をするには最高の出張場所でした。雨の上がった後、八ヶ岳は白く雪化粧に覆われていました。

2010年11月23日火曜日

衝突研究会


11月4~6日、イチョウや紅葉の色づく中、北海道大学低温科学研究所にて、天体の衝突物理の解明(VI)~衝突と物質科学~(衝突研究会)が開催されました。会期中は日本全国から天体衝突に関連したテーマを扱う研究者が集まり、活発な議論が繰り広げられました。
杉田研からは、杉田教授、関根助教、黒澤研究員、鎌田、長、羽村の6名が6件の口頭発表と1件のポスター発表を行いました。

<<口頭発表一覧>>

杉田 精司
 「ベイズ推定法を用いた修正ガウス法による惑星物質分析の試み」
関根 康人
 「Giant impacts in the Saturnian system」
黒澤 耕介
 「衝突蒸気雲の膨張過程における電子の役割」
鎌田 俊一
 「衝突盆地の粘性緩和から推定された月裏側の熱進化」
長 勇一郎
 「惑星探査機によるK-Ar年代のその場測定法の開発」
羽村 太雅
 「斜め衝突によるC2蒸発過程の時間分解分光/撮像観測」

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写真は紅葉に染まる北大の広い通りと、会場となった北海道大学低温科学研究所