2010年11月18~25日、野辺山宇宙電波観測所にある45 m電波望遠鏡の立ち上げ観測に、羽村が参加しました。天候に非常に恵まれ、昼は八ヶ岳の雄姿を遠景に眺めながら、夜は満天の星空の下で順調に観測を行うことができました。
立ち上げ観測とは、12月からの観測シーズンに向け、夏の間眠っていた観測装置達を起こし、調整する作業のことです(野辺山の電波望遠鏡は、大気の乾燥していて観測条件の良い冬の間しか観測を行いません)。滞在期間中は、スクイントと呼ばれる、ビーム方向に対する受信機の向きのズレを測定して方向を揃えるための観測を行いました。他にも、能率測定と呼ばれる、信号検出感度校正用の観測なども行って、本格的なシーズンに備えます。
野辺山宇宙電波観測所はJRの駅の中で最も標高の高い、小海線野辺山駅から徒歩30分ほどの距離にあります。食事が非常においしく、また静かで、宿泊施設の部屋も広く、研究をするには最高の出張場所でした。雨の上がった後、八ヶ岳は白く雪化粧に覆われていました。